三菱UFJ信託銀行が、12月25日から排出権信託商品の販売を開始した。12月25日から1月17日までを募集期間とし、5万トン分の排出権信託を販売する。先着申し込みでの販売となるが、完売の見込みだという。同社では、2008年3月末までに、さらに15万トン分の排出権信託の提供を計画している。
中央三井信託銀行、みずほ信託銀行なども排出権信託の提供を発表しているが、「実際に販売するのは日本で初めて」(三菱UFJ信託銀行)となる。京都議定書の約束期間の開始を来春に控え、排出権が買いやすくなってきた。
これまで複数の信託銀行が排出権信託の提供を発表しながら、実際の販売が始まらなかったのは、日本に排出権の現物がなかったためだ。大手企業などによる排出権取引は、すべて取得する権利の取引であり、現物が購入できる保証はなかった。
「状況を理解した大手企業なら権利ベースの取引でも問題ないが、信託商品として提供するためには、確実に購入できる現物を使わないと理解を得られない」(三菱UFJ信託銀行フロンティア戦略企画部デベロップメントグループの相幸子主任調査役)。排出権信託の販売が、なかなか始まらなかったのには、こうした事情があった。
当初の計画では、2007年春にも国連と日本を結ぶ取引システムが整備され、現物が手に入るはずだった。しかし、作業は約半年も遅れ、11月中旬にようやく完了。ついに販売にこぎつけたわけだ。
今回、三菱UFJ信銀行がまず販売する排出権は、三菱商事が韓国のフロン回収破壊事業で得たものである。
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