集団感染、死亡者が出たことで話題になったO157やO111は上の図では腸管出血性大腸菌に分類されます。O157でなくてもベロ毒素を産生するモノも存在します。O157は全体の8割ほどとされており、腸管出血性大腸菌の代表といえるでしょう。怖いですね。これからは食の安全についても真剣に考えていきましょう。自分で守るしかない時代のように思います。
同じ大腸菌でも、ヒトの常在菌から病原性を持つものまで様々です。危険な病原性を持つ大腸菌を牛が健康保菌している事が多いことが知られております。そのため、市販される牛乳では、大腸菌群陰性である事が求められております。安心して飲んで下さい。
さて、腸管出血性大腸菌の恐ろしさは、その子供に対する危険性だけではなく、食中毒を起こすのに必要な菌数が非常に少ないことです。サルモネラや腸炎ビブリオなどでは数十万~数百万以上に菌が繁殖した食品を食べなければ発症しないのですが、腸管出血性大腸菌では僅か50の菌数でも食中毒を発症させるほど少ないのです。つまり、食品を暖かいところに置いたり、古くなっていなくても食中毒が起こりうるのです。少ない菌数でも食中毒が起こるというこの特徴は二次感染のリスクも高めます。親が自分の責任で生食をした場合に、自分の糞便から身近な子供に移行して食中毒発生と謂うのもありうるのです。自己責任では済まなくなる可能性を孕んでいることも指摘しておきます。
この記事にトラックバックする