パラオの海底洞窟で昨年3月、「生きた化石」とも呼べる新種のウナギが見つかったと、千葉県立中央博物館の研究員らが24日、津市内で開かれている日本魚類学会で発表した。「ムカシウナギ科(仮称)」という新しい科の設立を提唱した。
同博物館の宮正樹上席研究員らのミトコンドリアDNA解析などから、ほかのウナギとは約2億年前に系統が分かれ、独自に進化した原始的なウナギと分かったという。成魚の体長が最大でも20センチに満たない小さなウナギで、肌は黒に近い褐色でヒレが大きいのが特徴。
パラオ在住の魚類研究者坂上治郎さんが発見。100個以上あるはずの脊椎が70~80個しかなく、口に入った水をこし取る器官「鰓杷」を持つなど、ウナギ目の全19科にはない特徴があることに気付き、恩師の井田斉北里大名誉教授に連絡、研究が始まったという。
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