大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇し、海に溶け込む量が増えることによって、海水のアルカリ度が低くなる「海洋酸性化」現象が、過去2千万年間の変動の100倍の速度で進んでいるなどとする調査報告書を、生物多様性条約事務局(カナダ・モントリオール)が6日までにまとめた。
このままでは酸性やアルカリ性の度合いを示す水素イオン指数(pH)が、2100年には0・4~0・45低下すると予測され、海域によっては2030年ごろから海の生態系に影響が出る懸念があるという。
酸性化が進むと、海水中の炭酸イオンの濃度が低くなり、サンゴは骨格を、貝などは殻を作ることが難しくなるが、既に海水中の炭酸イオンの濃度は、過去80万年で最も低くなっている。
報告書によると、過去250年間で海水のpHは約0・1以上低くなり、その速度は過去2千万年間の自然変動の100倍になる。
海洋の酸性化の進行により、珊瑚や貝類、さらにそれらに依存する種に悪影響が予測される。(B4.4, 6.4)
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